怪人

emu-maharis2007-02-21

お休みだったので 暮れに行ったきりの美容室に行ってきた。往復の時間入れて6時間って すごくない?車もそうだけど こまめに点検していないと メンテナンスに時間がかかる。年取ったんだね。天辺にボリュームがなくなってきたので 軽くパーマをかけてもらい 市販のヘアカラーで自分で染めたりしちゃってたものだから 髪が痛んでたようで トリートメントもしてもらった。


美容室って 適度にお喋りなスタッフさんが 良いよね。前にものすごく男前の店長の居る美容室に行ってたけれど無口が玉にキズ。いくら男前でも 15分も眺めていたら飽きるってものよ。今日は、マッサージまでしていただきまして、天にも昇る気持ち。久しぶりに癒されました。


美容室では、つい喋っちゃったけど 昨日の「すごい体験談」 ここでは、書けません(笑)


時効ですので かわりに昔昔のお話。十代の頃、婦人肌着屋でバイトしはじめたばかりの事、店にかかってくる電話に出ると ハァハァって息つかいが受話器の向こうから聞こえる。なんたって十代ですから そんなお声は 未経験。どうされたんだろう?と頭の中は ???


そのうち 「今日は、何色ですか?」


訳がわからず せめて今日の「お色」のお返事を返さねばと頭の中を整理しつつ 店の中を見渡していると 傍らに居た店長が おもむろに受話器を取り上げて どのようなご用件でしょうか?と訊ねた。電話は とたんに切れる。 つまり変質者さまからのお電話だったのでした。そんなことが 何度かあって 私も多少学習し そんな電話には、どのようなご用件でしょうか?とお返事するようになった。


ところが 二月のとある日 お客様もまばらで 今にも雪が降ってきそうな寒い午後、それは 突然 私の目の前に現れたのだった。独りで店番をしていると 身の丈2メートル近くありそうな大男が 黒い長いコートに黒い帽子という いでたちで  そう それは まるで江戸川乱歩怪人二十面相さながら。 


口をあんぐり(たぶん)とあけたまま大男の動向を観察していると 3枚千円のショーツのワゴンに手を伸ばした。買うのか_?否、万引きか?と身構えていたらショーツをムンズっと掴みツカツカとこちらに向かってくるではないか。しかしどこか妙なのだ。。。何が妙なのか頭が混乱していた。


それより 怖っ!うわ〜〜〜〜ん!どしよう、どしよう、どーしよ〜〜う。お母さ〜〜ん。


と そのとき大男は、掴んだショーツを手品師のように空に向かって投げ 私の視界からぱっと消えた。ショーツは、空を舞い ポトン ポトン ポトンと三枚 床に落ちた。


なんだったんだ!と安堵しながらも ショーツを拾う指先が震えている。最後に残った一枚をひろいあげて 立ち上がろうとしたその瞬間、しゃがんだ私の視線の数メートルほど先に・・・・・黒い靴 


黒い靴下・・・そして 黒い物体が にょき。


大男が妙だと感じたのは、黒いロングコートから見えた黒い靴下とその上にちらりと見えた素肌だったのだ。つまりズボンを穿いていなかった。そうコートの下は丸裸。


「け・け 警察よびま&%#$!」と叫んだような・・・声にならなかったような。。。


人生 長く生きていると色々なことがあるよね。お粗末さまでした。