母のDNA

emu-maharis2007-02-19

仕事に出ると それだけでお昼代やら 目に付いたバーゲン品なんかを買ってしまうので 小金が要りようになる。お財布の中を覗いたら、千円札二枚。ちょいと寂しい。昨日は、日曜だったので 自分の銀行カードで小額をATMからおろすと、残高が多い。あたしのように「どんぶり勘定」であっても 多い少ないくらいは わかるものだ。


考えあぐねた結果 お母さんかも!と思って電話してみると、「最近ちっとも来ないから あなたの通帳に振り込んでおいたわ。」せっかちな母が やりそうなことだ。母は、いまだにあたしに お洋服でも買いなさいと お小遣いをくれる。伯母の四十九日の法要で会う前に 既に入金していたらしい。自分の通帳から お金を下ろしたのは 暮が最後。何も知らず 悪いことをしちゃった。結婚以来 こんな母の行為に甘えていたが 父も亡くなって そろそろ大人として ご辞退するべきと言うと 「いいのよ。あたしだって おばあちゃんから ずっとお小遣いもらってたし。」


へ?初耳。


そんな母が、先日手術をした。手術といっても歯を抜いただけ。母は、60歳を過ぎるまで虫歯が一本もなく 定年後 はじめて虫歯の痛みを経験した。その治療の際、麻酔の注射に恐れおののき、歯科治療拒否状態に陥った。そのまま放置していた事が祟り同じ歯を抜くことになってしまった。そのときも前日に電話がはいり 明日の抜歯いかんでは、死ぬかもしれないと まるで子供のように ダダをこねていた。


ところが 今度は、目の手術だと電話で告げられた。白内障かと思いきや「逆さ睫」の手術だと言う。70歳を過ぎても 至って健康体。内臓も元気そのもので よく食べよく歩き良く寝る母の健康に感謝である。


「眼帯するし〜・・・手術だから麻酔するんでしょ?その日、付き添ってくれない?」
結局の所 麻酔の注射が怖いのだ。
「はいはい どこまでもお供いたします。」


こんな母を見ていると 自分が母のミトコンドリアDNAをそっくりそのまま受け継いでると感じる。死んだ祖母と比べると 成熟しきらない母の一部分が特に似ていると感じてしまう。あたしには 姉妹も娘がいないので年をとったとき 子供とこんな会話もできないし息子たちにも 頼れそうもない。こんな時が、女の子を産めなかったことを後悔してしまう瞬間でもある。

データで考える母系家族のすすめ―高齢社会と新しいライフスタイル

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先日の伯母の法事で 久しぶりに会う事になった あたしと瓜二つの7つ年下の独身の従姉妹とこんな約束を交わしといた。


老後は 二人で助け合って 生きようね。


本気です。