謎解きの醍醐味

『なくて七癖』 そこに空白があると なんとしてでも 埋めたくなる。これは、私に限ったことではなく 隠匿され秘められた部分を納得ゆくまで調べたくなるのは、人間の本能らしい。そこをうまい具合に突いた意図的(商業的)題材であれ 非意図的題材であれ「謎」と聞くと本能が滾る。伝説や歴史的ミステリーも 口には出せないが、突拍子もない妄想をしては 楽しんでいる。深く精通する事もなく下手の横好きとも言える趣味。まぁ言うなれば単なるアホだが 結構これが至福の時。木漏れ日の中で薄めにいれた珈琲と題材さえあれば「三度の飯」まで忘れてしまう。


所謂ミステリー小説には、 ファイナルにふさわしい答えがあるのが普通。これを種明かしと呼ぶが、答えを早く知りたい気持ちと 先延ばしにしたい心理が 無意識に時間調節を行っている。何故なら・・・・終わってしまう毎にあっけないからである。それがどんなに手の込んだトリックでさえも 謎が謎でなくなった時、突如色褪せてしまうからだ。


1999年公開された魔女や呪いを題材にした映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、謎が謎を呼び 私の心をくすぐったが、世間的には 素人の手ぶれ映像に1800円支払った方々、種明かしのないままのヤリ逃げされた不平不満が あらゆる場所で聞こえてきた。これほどまで酷評ではないが 映画 「ダ・ヴィンチ・コード」も不評だった。上下巻で書き上げた原作本を端折り過ぎた結果、映画を観ただけでは、わからない、面白みに欠けるという意見が多かった。


ブレア・・・は、攻略本「完全調書」の存在なくしては、何一つ語れない。本があったところで 多くの謎を残したまま煙に巻かれたが、攻略本を読んだ分 翻弄され振り回されている間 楽しめたことは確かだった。それと同様 ダビンチコードも 伏線の存在と ある程度の予習をしなければ 映画だけ観た人と同意見であったのだろう。種明かしは、次の頁をめくると そこにある。ダ・ビンチ・コードの原作本は、乱暴でもないし無理も無い。謎を一つずつ説明しながら物語が進んでゆく様は 幾つもの伝説の空白部分を指し示しながら光を投げかけてくれているようでもあり極めて紳士的だ。勿論 最後に大掛かりな謎の答えも待っていて充分満足できた。


http://www.youtube.com/watch?v=_V0U_sgvWuo:Movie