ママは、入る余地なしだけど・・・これでいいのよね。
大学の文化祭にいったきり4日も帰ってこなかった息子B、ガリガリに痩せて戻ってきた。胃が痛くなるほど心配していたが もう大学生なのだからと言う気持ちと いくら大学生だといっても ちょっと度が過ぎるという気持ちが 心の中で交互に入れ替わる。今朝4時半に目覚めて 彼の部屋に行くとベッドは、まだ もぬけの殻。衝動的に怒りのメッセージを彼の携帯に送った。直ぐに戻ってきたメールには、「色々あって 帰ったら話すから」と書いてあった。
今日の横浜は、雨。仕事から戻って ご飯の支度をしていると 玄関のチャイムが聞こえた。廊下に出てみると 雨のしずくが滴り落ちるほど びっしょぬれの息子Bが ごめんねと一言。ゆっくり話しを聞きましょうと お風呂を沸かし 先に帰ってきていた兄の座るソファーに座らせると開口一番。
「あのね、振られちゃったのね。」
「おぃおぃ!それで 三日も家に帰らず 自棄酒でも呑んでた?」と兄。
「あのね、彼女がね、他の男に肩を組まれているのを観ちゃったんだよね。それで その男と喧嘩なって殴っちゃった。」
男の子って余計な事は、省いて喋るから解り易い。ここまで聞いて すべてを悟った。
喧嘩になったあと 野蛮人っ!て振られたの?と云ったら
当たり。だって。
今頃 彼 お風呂に浸かりながら 涙の一つもこぼしているかも知れない。けれど 別の側面からみたら 彼は肩の荷が降りたはず。
息子Bは、云う。「僕は背伸びをしていたかもしれない。」
彼女にふさわしい男になる為に努力しなきゃ・・・といつも思ってた。大学の廊下で他の男と中睦まじく話す彼女から 視線をはずしたり 大人の男を気取って寛大な振りをしてきた。その裏で 振られる夢にうなされもしたと云う。
人間としても女性としても魅力溢れる憧れの存在が、自分の身近に居る事は、向上心も養われるし 自分を磨くチャンスでもある。だが 以前息子Aの「ふつうの梨」の話しを書いたが、自分が、自然体で居られる人が一番だと思う。そしてベターハーフは、きっと居るはず。この世にたった一人でもね。
明日の朝も きっと彼のベッドはもぬけの殻。
弟は今晩、兄の部屋で眠るはず。