言うなれば ショーケースに並んだ高級チョコレート

emu-maharis2006-08-28

或いは、ダイエット中の冷凍庫の金時アイス。禁断とされるものとの戦いの経験は誰にもある。大枚を はたいて買うか 手の届かないものときっぱり諦めるか、食べるか捨てるか どちらかでも 選べば決着がつくのに どちらも出来ない。


対象物は、目の前にちらつき頭の片隅にこびりつく。イヴもこうして苦しみ、跳ね除けようともがく程に深みに嵌っていった。イヴの罪を作ったのは、楽園のヘビではなく禁断の実そのもの。そこに存在することがイヴにとって悪だった。罪作りな禁断の実、食べずにそっとそのまま眺めていたなら 今頃女は神を超える完璧な生き物だったに違いない。聖書が物語る女の犯す罪は、子々孫々戒めとなった。そのうえ女は、誘惑に負け易いと決定付けられ優柔不断で過去を何時までも悔やむ生き物となった。


前にも進めず 退くこともできず クヨクヨと過去を悔やむ。それなのに禁断の実の妙なる香りを細部まで憶えていて忘れることが出来ないでいる女がいる。女は、二種類から分けられるが これぞイヴの直系であると確信した。


2000年冬・・・真夜中、冷えたナイフで切り裂くような空気を ヒーターのボタンが瞬く間に心地よい温風で攪拌した。まだ寒さで感覚の戻っていない指がノートパソコンのスイッチを入れる。女は、一日に何回か同じ動作を繰り返した。これが禁断の実を知ってしまう物語の始まりだった。



つづく(大嘘)

だって今日は、日記に書く事が何もない。こんな日もあるよね。強いて挙げるとしたら、冷蔵庫の半端に残った食材で 味噌おでんとカルパッチョと豚肉の野菜炒めを30分で作った事と 洗面所を光るまで磨いたことかな。あ〜あ 浮いた話のひとつくらいしてみたい。